まだオムツをしていた私は、初めて父に公園に連れて行ってもらった。
天気がよく、父との初めての公園ということもありとても記憶に残っている。
母は私たちが出発する姿を家から見送ってくれた。
私はとても活発な子供で、遊具で遊んだり砂場で山を作ったりと思いっきり遊びまわった。
そんな姿を父はただひたすらベンチに座って眺めているだけだった。
「お父さんと遊びたい」そう思って声をかけても、全て「1人で遊んで」と断られた。
どれくらい遊んだのかは覚えていない。
しかし私はオムツにお漏らしをしてしまい、その姿に気づいた父は豹変した。
突然ものすごい勢いでビンタをしてきたのだ。それも1度ではなく何度も繰り返し行われた。
私は泣き騒いだ。
楽しかったはずの公園は、一瞬で父の罵声と私の泣き騒ぐ声でいっぱいになった。
私は泣き続けたまま、父と家に帰ることになった。
母は私の腫れ上がった頬を見て驚いたが、「りんごほっぺみたいね。りんごちゃん」と言ってきた。
この日以来、何かあるたびに私はビンタされ、頬が腫れ上がり「りんごちゃん」と呼ばれるようになった。